保育園の保育士(保母・保父)が離職が多くブラックと言われる理由

昨今、保育士の仕事は責任が重く給料が安く仕事も多岐にわたるなどブラックな職場と言われています。
しかしながら、周りの印象だとキツくて辞めたという話を聞くことも多くはないです。
そういった意味で、実際保育士の現場が本当にブラックなのかどうかデータとともに紐解いていきたいと思います。

保育士の離職率

保育士の離職率は10.3%です。私立の保育園などの民間保育所の離職率は12%となっていますが、これは公立保育園が公務員なので待遇面や福利厚生で優遇されているからという理由もあるようです。


出典: 保育士等に関する関係資料 (平成27年度)

保育士の離職率が高いかといえば、例えば、教師(教員)の業界の離職率は平均して47%なので、これと比べるだいぶ低い水準であると思われます。理由としては、保育園を退職後に同業での転職が多いということを鑑み、他業界でも通用するスキルがなかなか身につかなという背景もあり退職することを踏み止まっているとも言えるかもしれません。


出典:厚生労働省:新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況より作成

保育士の平均勤続年数と平均年収(手取り額)

保育士の平均勤続年数は7.6年で、 全業種平均の12.1年から下回っています。
腰を据えて働ける環境には現時点ではなかなか到達していないことがわかります。

また、保育士の平均手取り額は 216.1万円(年収にすると280万前後)、全業種平均の手取り額329.6万(年収にすると440万前後)と比べると大幅に下回っています。年収が低い理由については後述しますが、この金額で一人暮らしをして生活していくのはかなり大変かもしれません。

出典: 保育士等に関する関係資料 (平成27年度)

現役の保育士が退職したいと思う理由

保育士退職意向理由【現在保育士就業中】(複数回答)
1位:給料が安い(65.1%)
2位:仕事量が多い(52.2%)
3位:労働時間が長い(37.3%)
4位:他業種への興味(30.6%)
5位:職場の人間関係(24.9%)
6位:職業適性に対する不安(22.0%)
7位:体力がもたない(19.3%)
8位:保護者対応等への心労(17.9%)
9位:子育て(17.4%)
10位:妊娠・出産(14.4%)

出典:東京都保育士実態調査報告書

では、上記の現役保育士が退職したいと思う理由からなぜ保育園がブラックといわれるか読み解いていきましょう。

給料が安い

平均年収のところでも触れましたが、全業種平均の手取り額から100万円近く低い状況です。年収が低い理由については、親からの保育料や国や都道府県からの補助金で保育園の運営を工面していますが、これについては一定の限度があるからだと言われています。

またボーナスについては、労働基準法においても支給が必須とされていないので、例え最初の提示で含まれていた場合でも結局は経営不振の名の下に削られて年収が大幅ダウンする可能性もあります。

 

仕事が多岐に及ぶ

保育士の業務は非常に多岐に渡ります。下記の表のように「室内遊び」「会議・記録・報告」「表現活動の支援(お遊戯)」「スキンシップ」などに時間が割かれていますが、この中でも「会議・記録・報告」業務が負担になっているようです。


出典: 保育士等に関する関係資料 (平成27年度)

これは、下記の東京都保育士実態調査報告書における調査結果にあるように「給与の改善」や「職員数の増員」についで「事務・雑務の軽減」の項目が改善希望点として多かったことからも伺い知れます。

出典:東京都保育士実態調査報告書

常に人手不足で時間外労働(残業)が多い

薄給な上に、仕事が多岐に渡り、また小さな子供を預かるという責任感からか神経をすり減らすことが多いからか常に人手不足です。そしてその人手不足状態により、少ない人数で様々な仕事をこなさなければならないので、必然的に時間外労働が多くなります。
しかも、タイムカードがない保育園も多く存在し、奉仕という名の元に残業代が出ないサービス残業が横行しています。

また、人手不足なのでもちろん有給などを取ると仕事がまわらなくなります。ゆえに有給休暇が取りづらい環境にあると思われます。
以上のことから人が定着せず、職場の年齢層が若手のみだったりする場合、ベテランがどんどん辞めていっている環境だと推測され慢性的な人手不足が予想されるので注意が必要です。

パワハラなど人間関係が悪い

人手不足でさらに長い労働時間だとストレスがたまり人間関係もギクシャクしていじめやパワハラの温床となってしまいます。
職場の年齢層がベテランのみで若手がいない職場の場合は、パワハラやいじめなどで辞めている可能性あるので注意しましょう。

保護者対応が疲れる

昨今は、親たちが理不尽なクレームを入れてくるモンスターペアレントが社会問題になっていますが、保育園も例外ではありません。
親たちがモンスターペアレントになる原因としては、保育現場での死亡事故などがニュースで報道されることによる保育現場への不信感やお客様は神様だという過剰な顧客意識、そして核家族化で身近に相談できる人がいないなどの理由がありますが、こういった親たちからの理不尽なクレームに対して若手が矢面に立ち、園長やベテランがフォローしきれないのが離職につながりブラックと言われるのではないでしょうか。

【ブラック企業体験談】人手不足で給料も安い保育士のブラックな実情
妊娠・出産を経て、再び保育士として働きたいと考えていました。ようやく見つけた職場は、私にとっては最悪の環境で大好きだった保育士の仕事にも魅力を感じなくなってしまったのです。
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